子育て中の親なら誰でも一度は直面するであろう、「子どもが言うことを聞かない」という悩み。
その対処法として多くの親が使うのが「外発的動機づけ」です。
例えば
「歯磨きをしたらラムネをあげる」
「ご飯を全部食べたらデザートがあるよ」
といったようなもの。
私自身も、日々の育児の中でこうした方法を多用しています。
一方で、子どもの成長を見据えると、外発的動機づけだけに頼るのではなく
「やらされる」から「やりたい」へ
つまり内発的動機づけを育てることが大切だと感じています。
今回は、外発的動機づけと内発的動機づけをテーマに、私自身の経験を交えながら考えてみたいと思います。
外発的動機づけと内発的動機づけとは?
まず、外発的動機づけと内発的動機づけの違いについて簡単に説明します。
外発的動機づけ
外部の報酬や罰によって行動を促す方法。
例えば
宿題を終えたら遊んでいいよ
野菜を食べないとデザートはなし
宿題終わらなかったらゲーム禁止
などがこれに当たります。
◯◯しないと◯◯だよ。
◯◯したいなら、◯◯してね。
など、やるべきことをする為に報酬を与える。
餌を見せつけて動かす。
みたいなやり方です。
行動を習慣化する初期段階では効果的ですが、外部の報酬がなくなるとやらなくなるリスクがあります。
内発的動機づけ
子ども自身が興味や楽しさを感じて行動を起こす状態です。
例えば
「歯磨きをすると自分の歯がきれいになることが嬉しい」
と感じるようになることです。
この動機づけは、持続性が高く、長期的な学びや成長につながります。
外発的動機づけの重要性──日々の育児での実例
現実の子育てでは、どうしても外発的動機づけに頼る場面が多くなります。
私自身、子育てではかなり悩まされています。
以下は我が家の外発的動機づけによる例です。
◯歯磨きの後にフッ素入りの歯磨きラムネをあげる
◯寝る前に寝かしつけの映像を流す
◯公園から帰るときにおやつで釣る
◯ご飯を全部食べたらデザートがある
外発的動機づけは推奨派ではないですが、なんだかんだでやってしまいますね、、、
◯歯磨きの後にフッ素入りの歯磨きラムネをあげる
歯磨きが苦手な娘が少しでも楽しい気持ちで取り組めるように工夫していました。
◯寝る前に寝かしつけの映像を流す
寝る時間になると見たがる映像を流し、昔話を聞かせてリラックスさせています。
◯公園から帰るときにおやつで釣る
遊び足りない娘をスムーズに帰宅させるため、「帰ったらおやつがあるよ」と伝えていました。
◯ご飯を全部食べたらデザートがある
食事の苦手な娘に「デザート」という目標を持たせて頑張らせる方法です。
こうした方法は、私達にとって、2歳の子の毎日の育児をスムーズに進める上で欠かせない方法でした。
しかし、「このままでいいのだろうか」と考えることもありました。
それがないと動かない子
という現実が待ち受けていることも、仕事柄私は知っていたからです。
内発的動機づけの重要性──本質を見据えた子育て
外発的動機づけは、短期的な目標達成には役立ちますが、子どもが「やりたい」と思える状態にはつながりにくい側面があります。
私自身、以下の理由から内発的動機づけを育てることが子育ての本質だと考えています。
• 長期的な学びにつながる
• 子どもの自信を育てる
• 親子のコミュニケーションが深まる
内発的動機づけを育てると、親がいなくても自分で行動できる力が身につきます。
また、「自分でやりたいと思ったことを達成できた」という経験は、子どもの自己肯定感を高めます。
更に、子どもの興味や気持ちを観察し、寄り添うことで、より良い関係性を築けるはずです。
これらは、子どもを愛する親ならば尊重したい考え方であり、子育てをしていく上では理想となることではないでしょうか?
色々な考え方があるのでこれに限らないですが、私自身はそう信じています。
外発的動機づけを使いながら内発的動機づけを育てる方法
とはいえ、内発的動機づけを育てることは簡単ではありません。
「わかっているけど無理」
「やってみたけど上手くいかない」
という親も多いでしょう。私自身がそうでした。
その為、たくさん考え、工夫をしてきたのちに、子ども達の行動は変わっていったので、その実績を踏まえた上で、私から伝えられる実践するためのヒントをご紹介します。
無理をしないことが大前提
◯外発的動機づけを否定しない
外発的な方法は決して悪いことではありません。まずは、子どもと親が無理なく進められる方法を選びましょう。
「外発的動機づけを使っている」と自分を責める必要はありません。
◯小さく始める
すべてを内発的にするのではなく、例えば「歯磨き」「寝かしつけ」といった具体的な場面だけで試してみるのがおすすめです。
子どもの興味を引き出す工夫
◯子どもに選択肢を与える
歯ブラシの色や形を選ばせたり、寝る前の絵本を一緒に決めたりするだけで、子どものやる気が生まれます。
◯楽しい物語を作る
歯磨きなら「歯のバイキンをやっつける探検家ごっこ」、ご飯なら「全部食べるとお腹の妖精が喜ぶ」という設定を作ると、行動が遊びに変わります。
◯親が楽しそうにやる
子どもは親の姿を見て学びます。
親自身が歯磨きや片付けを楽しんでいる姿を見せることで、自然と興味を持たせることができます。
この結末は、最終私自身に仕上げ磨きをしてくるようになりました。
かわすのが大変だけどその時間は幸せです。
失敗を恐れない
子どもの興味を引き出す工夫がうまくいかないこともあります。
それでも、落ち込む必要はありません。
きっと
・その方法が響かなかっただけ。
・気分が乗らない
など、その程度のことです。
めげずに軽く受け取り、状況を振り返り、次のチャレンジにつなげることが大切です。
また、子育てには時間がかかることを理解し、長期的な目線で取り組むことが大切です。
実際のケースで考える──歯磨きの場合
例えば、娘の歯磨きに内発的動機づけを取り入れる際、次のようなことを試し、数ヶ月かけて改善に繋がりました。
歯ブラシを選ばせる
「アンパン◯◯と、しまじ◯◯どの歯ブラシがいい?」と聞くだけで、自分で今日はこの子と歯磨きする!と言って、自己決定した後にスムーズに動けました。
鏡を活用する
鏡を見ながら「こんなにきれいになったね!」と声をかけることで、達成感を持たせました。
一緒に楽しむ
私も一緒に歯磨きをしながら、「パパも一緒にきれいにしよう!」と誘うと、自然と楽しそうに取り組むようになりました。
その観点が、子どもと一緒に育つ上で重要なのだと気付かされました。
外発的と内発的、そのバランスが鍵
外発的動機づけと内発的動機づけは、どちらも子育てに必要不可欠な要素です。
特に私自身の実体験として、2歳の娘や、その前後の年齢の子どもには、自分の意思で行動するのが難しい場面が多いため、外発的動機づけは親にとって頼れる手段だと感じています。
一方で、「この先もずっと報酬やご褒美に頼るのだろうか」と不安に感じる親もいるでしょう。
そんなときは、外発的動機づけをきっかけに、内発的動機づけへと移行する工夫を意識してみてください。
例えば、最初は「おやつをあげるから帰ろう」と言っていた公園からの帰宅も、「おやつが楽しみだから早く帰りたい」という状態に変えられます。
そのためには、子どもが「楽しい」と感じる場面をたくさん作り、やる気を引き出す声かけを続けることが大切です。
育児は「完璧」を目指さない
このブログを読んで、「内発的に育てたいけど、自分には無理そう…」と感じた方もいるかもしれません。
私自身もそう感じることが多々あります。
それでも、少しずつ子どもと向き合い、試行錯誤を繰り返す中で、確実に前に進んでいる実感があります。
重要なのは、子どもの興味を尊重し、親自身も子育てを楽しむ姿を見せることです。
それが結果的に、子どもが自ら行動を起こす原動力になります。
明日から始められる小さな一歩を踏み出してみましょう。
最後に
忙しい毎日の中でも気軽に取り組めるアクションをまとめます
外発的動機づけを無理にやめない
報酬やご褒美も、子どもにとって成長の足がかりになります。それを自分を責める理由にしないでください。
一緒に楽しむ時間を作る
歯磨きでも、片付けでも、親が楽しそうにしている姿を見せることが大切です。
子どもの「選択肢」を広げる
自分で決められる場面を増やすと、「自分の意思でやる」という感覚が育まれます。
失敗しても大丈夫
子育てに正解はありません。
失敗しても振り返りながら、またチャレンジすればいいのです。
子育ては日々の積み重ねであり、親も子も成長していく旅のようなものです。
外発的動機づけを活用しながら、少しずつ内発的動機づけを育てていく過程を楽しんでみませんか?
「やらされる」から「やりたい」へ。
その小さな一歩が、親子の未来を豊かにする鍵になるかもしれません。