児童養護施設の現場から見える「育児の悩み」と「虐待防止」

児童福祉

多くの親が抱える育児の悩みは、非常に多岐にわたります。

その根底には

「子どもとの関係がうまくいかない」

「子どもに対してイライラしてしまう」

「叱りすぎてしまい自己嫌悪に陥る」

といった感情が存在するのではないでしょうか。

特に以下の点が多くの親が直面する課題であると思います。

• 子どもが言うことを聞かないために、常に叱ることが増えてしまう

• 他の親との比較で劣等感を感じ、自分の育児が正しいかどうか分からなくなる

• 子どもへの怒りがコントロールできず、いずれ虐待に繋がるのではという不安

• パートナーとの育児方針の違いによる葛藤や不満

パパイクジ
パパイクジ

私自身も、息子の大泣きにはかなり悩まされました。。。

妻となんども話し合い、苦手なことはサポートしてもらうことにしました。

これらの悩みは日常的に繰り返され、時に親自身のストレスが限界に達することがあります。

こうした状況が続くと、感情が爆発し、子どもに対して強く当たってしまう可能性も高まります。どうしたらいい?育児における「適度な自己許容」と「サポートの重要性」

結論は、育児に完璧を求めすぎないことと、孤立しないことです。

自分一人で「良い親になろう」と思いすぎると、自己評価が低くなりがちで、結果として育児がさらに苦しく感じられることが多いです。

また、パートナーや家族、社会的なサポートを上手に活用することが、ストレスの軽減や虐待予防に繋がります。

さらに、研究でも示されている通り、子どもに適切な境界線を持たせつつ、親が自分を責めすぎず、感情をコントロールすることが親子関係の改善に役立ちます。

「ほどほどの育児」という考え方が広まってきており、これが結果的に親と子ども双方にとって良い結果をもたらすことが分かっています。

児童養護施設での7年間の現場経験から伝えられること

私は児童養護施設で7年間、多くの子どもたちとその家族と接してきました。

この経験を通じて、特に感じたのは「親が一人で悩みを抱え込んでいることが、家庭内の問題を悪化させる要因である」ということです。

児童養護施設に来る子どもたちの多くは、家庭内で十分なサポートを得られず、親が子どもに対して暴力的になる、あるいは無視する形で問題が深刻化しているケースが目立ちます。

この現場経験に基づき、以下のようなケースを目の当たりにしてきました。

※個人情報保護法に基づき、実際の事例としてではなく、事実に基づいた架空のケースとして書いています。実際の限りではございませんが、皆様に役立つ情報やヒントをお届けできたらと思います。

ケース1:親子間のコミュニケーション不足が招く誤解

ある家庭では、親が仕事に追われて子どもとの時間を持つことができず、子どもが「親に愛されていない」と感じるようになっていました。

その結果、子どもが反抗的な態度を取るようになり、親は「子どもが言うことを聞かない」と感じてさらに叱るという悪循環に陥りました。

この家庭では、児童相談所介入のもとで施設で生活をすることに。しばらくお互いのレスパイト(クールダウン)として離れて生活し、定期的に面会を実施しながら落ち着いたやりとりのお手伝いをしたりする中で親子間のコミュニケーションを改善し、少しずつ信頼関係を取り戻すことができました。

ケース2親の感情が虐待に繋がる危険性

ある親は、仕事のストレスや育児の孤立感から、子どもに対して日々感情的になり、しばしば手を上げることが増えていきました

児童相談所で一時保護をしてもらう中で物理的に距離を離し、支援機関の介入により、親が自分の現状(感情をコントロールできていない)を理解しそれを改善する方法を学び、子どもとの関係回復に努めることができました。

これは、感情のコントロールと支援ネットワークの利用がいかに重要であるかを示す好例です。

しかし、それでも中々コントロールが上手くいかず、最悪な事態に陥るケースも多々見てきたので、この方法に限るわけではありません。

個人的には、やはり親が愛情を持って接することが一番だと考えていますが、それが難しくて悩んでいる親御さんも一定数いることは事実です。そんな方々に少しでも関係機関を頼る方法があること、悩み疲れてしまう前にできることがあるということに気づき、早期発見と改善のお手伝いができたらと感じています。

パパイクジ
パパイクジ

みんな子育てで苦労しています。一人で悩まず、近くの人や専門家に相談してみてね。

未来の親子関係の改善と安心感 〜4つの成果を目指して〜

このブログを通して、以下の4点を生活場面で実際に感じられ、少しでも子育てで感じている心身の負担が減って行くことを願っています。

親としての自己評価が向上する

育児が完璧である必要はなく、失敗をしてもそこから学べば良いという考え方が身に付くことで、親自身の自己評価が高まり、育児に対する不安が軽減されます。


子どもとの時間が楽しくなる
親のストレスが減ることで、子どもとの時間に余裕が生まれ、親子関係が深まります。特に小さな喜びや成長をより感じられるようになります。


• 子どもに健全な境界線を教えることができる
親が自身の感情をコントロールできることで、子どもに対して適切な境界線を設定することが可能になります。これにより、子どもは自己コントロールを学び、将来的に自立した人格を育むことが期待されます。


虐待のリスクを大幅に減少させる
親が孤立しないことで、虐待のリスクを大幅に減らすことができます。特に、早期の介入やサポートの利用が、虐待を未然に防ぐ重要な役割を果たします。

最後に、育児における適切な自己許容とサポートの活用がもたらすメリットはたくさんあります。それが未来の親子関係の改善や、安心感につながって行くことで、我が子をより可愛く感じられるように慣れると幸いです。